鳥取短期大学

教授 野津 伸治

1.教育に対する責任

私は本学において、主に情報処理系の教育を担当している。その中でも特に情報処理機器のハードウェアとソフトウェアを学習する「情報処理実務」、ネットワークとセキュリティの原理と応用を学ぶ「ネットワークの基礎」、PythonやPHPなど複数のプログラミング言語を「プログラミング」と「ウェブプログラミング演習」で教育している。学科内で情報系の専門科目を担当している他の教員とはWebデザインやデータベースなどの関連科目で学習内容の連携を毎学期図っている。

学校法人藤田学院ホームページ「教員紹介2021」

2.教育の理念

私は、本学の教育活動において、以下の基本的な原理の理解と現実の場での応用できるという点を重視している。

1) 情報処理をハードウェアとソフトウェアの統合システムとして理解すること
両者の境界は発展の過程シームレスになってきているが密接に相互依存していることをグループPBLとしてのロボット設計と実装で経験させている
2) セキュリティやシステムを現実の中で運用するための知識とスキルを身につけること
スマートフォンやコンピュータを日常的に使っている我々はネットワーク通信の仕組みを理解し、常時発生するセキュリティ上脅威に晒されておりまずは安全確保が重要であるためそれを具現化させている
3) コンピュータのハードウェアとソフトウェアの基本的な原理や仕組みをプログラミングを通して論理的に理解すること
コンピュータのCPUやメモリのハードウェアの前提に、OSが提供するAPIを利用し、提供するサービスの意味を理解させるよう努めている

3.教育の方法

上述の教育理念を達成するため、例えば1年次前期の必須科目「情報処理実務」では、次のような授業を行っている。
この科目では、最終成果物としてグループPBLでロボットを機構部分、電子回路分、およびプログラム部分を製作してこれらを統合する形で指定動作を行わせている。3つの部分の設計の考え方とそれに基づく加工等を個人ベースにより7コマで教授【Moodle】し、小テスト等を通して1グループ5人の能力のバランスとりながらグループ分けをする。後半の7コマでこれら3部分の統合化を行う。その問題解決策が複数存在するため、なぜどの選択肢を取るのかを納得しながら成果物を完成させる。最終コマは成果物の挙動の確認である。ソフトウェアに関して一貫してオープンソースのみを利用するため自宅等での復習も可能である。
また、グループワークは授業時間外も解決できるように徹底指導している。

鳥取短期大学ポータルサイト「シラバス検索」

4.学生による授業評価

2019年度の授業評価アンケートにおいては、1年次前期「情報処理実務」では「私はシラバスに記載された『到達目標』を達成することができた」との問いに肯定的な回答は58.5%(=24/41)であった。総合力が求められ、1年前期の開講で、高いハードルであると受け止めている。大きな方向性は変わらないが、毎年、成果物、プログラミング言語、利用する部材等を前年度の授業から変更するように心がけている。また2年次後期の「ウェブプログラミング演習」での同様の回答は40.0%(=2/3)である。WebサーバのHTML,CSS,JavaScriptとデータベースサーバのSQLを取り持つ中間言語としてのPHPを15コマまで学習する。毎年関連科目と学習内容のすり合わせを行っているが、並行して学ぶ分野もあり授業内でフォローも行っているが、学習内容が盛りだくさんなうえコマ数の限界もある。毎年学生の習熟度をにらみ翌年度のテキスト等の変更は行っている。今後はコマ数の増加なども検討していきたい。

5.教育改善への取り組み

基本的にどの授業においても、復習のために毎回課題を出して翌時間までに提出を求め、理解度を踏まえてコメントもフィードバックしている。また学習内容が盛りだくさんの「ウェブプログラミング演習」では、毎回の予習の指示とその実行度、毎回の授業の理解度の個人アンケートを実施して翌週の授業の進め方で反映している。あるいはグループPBLの「成果物」提出が近い終盤は時間外指導を授業時間の2倍以上割いている。

6.今後の目標

1) 短期的な目標
  1. グループPBLを通してコンピュータの総合的な理解の促進と目標達成感の醸成
  2. 2年間集大成的な要素の科目での学修成果の向上
  3. 社会の情報へのニーズを的確につかみ授業に取り入れる
2) 中・長期的な目標
  1. 情報科学的な問題の現実的な解決能力の向上
    SDGsやSociety5.0のような社会的問題への解決支援に情報科学の果たす役割は大きいと認識している。課題の現状を少しずつでも解決へ近づけられる実践力を持てる人材育成に努めたい。
  2. 情報産業界のみならず、社会一般で求められる情報理論とスキルの把握と研究および教育への取り込み
    非常の動きの速い産業の状況や多様な社会のニーズの中から、対応すべき事柄を厳選して研究にと入り入れ、教育に反映させていきたい。
最終更新:令和2(2020)年8月7日

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