准教授 簡 逸威

1.教育に対する責任

私は本学において、主にビジネス系の教育を担当している。その中でも特に「経営学」、「マーケティング」という科目を中心に教育している。「基礎演習」、「プロジェクト演習」、「現代社会論」については他の情報・ビジネス系の教員が共同担当するほか、情報系の科目において他の教員が担当し、教育している。

学校法人藤田学院ホームページ「教員紹介2023」

2.教育の理念

私は、本学の教育活動において、以下の3点を重視している。

1) 多角的な視点で物事を考えることができる
2) 経営戦略・マーケティング戦術の「運用力」の育成
3) 具体的な課題に対する問題を解決できる能力の養成を目指す

3.教育の方法

上述の教育理念を達成するため、例えば2年次前期の選択科目「マーケティング」では、次のような授業を行っている。
この科目内容では、マーケティングを理論と実践の両面から眺め、前半はSTPや消費者行動や4P戦略などの基礎理論を把握し、さらに身近な時事問題と地域活化に関する実例を加えて、受講生がマーケティングそのものに対する関心を高くなることを目的としている。後半では、理解した内容をグループで議論して、鳥取県特産品の解決策を立案する。解決策を通して、マーケティング戦略の立案方法から効果測定までの一連の流れを構築する能力を身につけることができるようになる。
この授業形式では、授業の前半(60分ほど)は講義形式でマーケティングの理論と知識について学び、後半(30分ほど)は積極的にディスカッションに参加することが求められる。さらに、事前事後学修のために、以下の3点を行っている。

  • 講義の一週間前に資料と課題を提供する。資料を事前に熟読することと課題のレポートを提出すること。
  • 授業に出席するだけではなく、積極的に内容を理解し、積極的に議論に参加すること。
  • 受講生の理解度を確認するために、期末発表を実施することがある。

受講生の意見より、第5回目から授業で取り組む内容とその意義についてはそのつど十分に説明し、【ワークシート】を配付することによって「何をどう取り組めば良いか」を学生が具体的にイメージできるよう工夫している。
成績評価は、授業参加度(積極性・貢献度・受講態度)10%と、課題発表・レポート60%と、期末課題・発表 30%を合計して行っている。

鳥取短期大学ポータルサイト「シラバス検索」

4.学生による授業評価

2023年度前期の「マーケティング」の授業評価アンケートにおいては、最高の値は3.7であり、シラバスに書かれた授業の内容から大きくずれていなかったことである。授業に対する総合的な満足度の値は3.5であった。
この中で、最低の値は、教員の説明や指示は明瞭で聞き取りやすかったの値であり、3.3であった。それにより、説明や指示方法を改善しなければならないと考えている。

5.教育改善への取り組み

学内で開催されるFD研修には参加しなければならない。特に、学生による授業評価で高い点数を取得した科目を参加し、参考にできる点を探している。
毎学期の授業評価アンケートの結果を受けて、低い値の質問項目を反省し、改善方法を考えなければならない。さらに、毎年の年末年始にかけてシラバスを執筆するとき、改善方法とそれまでに研究等で得られた新たな知見を取り込んだシラバスとなるよう努力している。
毎回授業後、【ワークシート】を回収し、受講生の意見・コメントに応じて、次回以降の授業を適時に改善したり、その後、問題を解決したかどうかおを受講生に確認したりすることができるようにしている。

6.今後の目標

1) 短期的な目標
  1. 学生の経営戦略・マーケティング戦術の運用力、特に「企画力」の向上
  2. 学生と信頼関係
2) 中・長期的な目標
  1. 反転授業の実施:授業日の一週間前に、PPTやビデオや参考文献などの予習資料がインターネット上で公開すると考えている。ケースについての資料はできるだけ予習資料の中で詳しく記載すると、授業時数の限定や観察期間の短さや浅堀りなどの問題点を補う。ただし、人間が深い集中を持続させられるのは僅か15分程度である。それで、予習資料とするビデオは要点を15分程度にまとめて作成する。長い動画に多くの要点が点在しているよりも、4点ずつ要点を盛り込んだ短い動画を何本か視聴するほうが、理解が進み、記憶にも残りやすい。さらに、授業中では、予習資料からの質問を出し、諸問題の解決に向けて積極的に取り組ませることによって、学生の理解度だけでなく思考能力をも向上させる。
  2. コンテストの実施:情報・経営専攻では、データを分析する能力も非常に重要だと思う。そこで、データの分析に関するコンテストを実施したら、学生が遊びの中で得られる学びと考えている。例えば、慶應義塾大学SFC研究所 データビジネス創造・ラボが主催しているデータビジネス創造コンテストは1年間に2回行っているので、学生に参加することが有利だと考える。それゆえに、学生にそのコンテストの参加を目指す。
最終更新:令和5(2023)年9月6日

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