教授 野津 あきこ

1.教育に対する責任

私は本学において、公衆栄養学、給食管理、臨床栄養学実習などを担当している。これらは栄養士資格取得における「栄養の指導」「栄養と健康」「給食の運営」の分野である。また栄養教諭二種免許状資格に関係する科目、そして「給食施設実習」や「栄養教育実習」の学外実習の担当もしている。

学校法人藤田学院ホームページ「教員紹介2023」

2.教育の理念

私は、本学の教育活動において、以下の3点を重視している。

1) 自ら考え行動できる力の育成
2) 基本的な知識の理解を深めるとともに、応用力を身につける
3) 科学的根拠に基づく思考や行動ができる

3.教育の方法

上述の教育理念を達成するため主な担当科目では下記のような授業を行っている。

1) 公衆栄養学
公衆栄養活動の目的と歴史や自然環境、社会環境とのかかわりが人の栄養・健康状態にどのように影響しているかについて説明を行っている。栄養疫学に関連した研究活動や行政の健康づくりの取り組み等の実際の事例を紹介している。
2) 臨床栄養学実習
食事療法を必要とする疾患・病態別に個人に対応する栄養管理や食事計画が実施できるように治療食献立作成や治療食調理実習を行う。また、栄養状態の評価・判定方法などの栄養アセスメントや栄養教育・指導などについての演習を行う。糖尿病の食品交換表を使った7日間の食事記録の課題を課し、食品交換表が使えるようになることや食事アセスメントができるようになることを目指している。
3) 教職実践演習(栄養教諭)
栄養士の専門性や教育実習等、実践現場の経験を踏まえた内容とする。栄養教諭として、「食に関する指導」に必要な“授業”と“個別指導”に焦点を当て、確かな実践的指導力を養う。講義や演習、発表、ロールプレイング等を組み合わせ、実際の教育現場を想定した教育課題を取り扱うようにしている。
鳥取短期大学ポータルサイト「シラバス検索」

4.学生による授業評価

2021年度の授業評価アンケートにおいては、「公衆栄養学」では、総合的に「あまりあてはまらない」「あてはまらない」と回答した学生がみられた。講義科目でスライドを使って説明しているが、一方通行になりがちである。知識を伝えるだけではなく、現場でどのように生かせるかの事例を提示し、自ら考えてもらうようなアクティブ・ラーニングを多く取り入れた授業へと改善する必要がある。
「臨床栄養学実習」などの実習科目は、講義科目に比べて良い評価となる。「私は、実習に積極的に取り組んだ」については、96%が、「あてはまる」「ややあてはまる」と答えた。
「毎回の授業で学習の目的や目標がはっきりと示されていた」について改善の余地がある。

5.教育改善への取り組み

学内で開催されるFD研修には参加するようにしている。授業公開・見学にも参加し、授業改善に取り組んでいる。また学生からの質問に対しては、授業や説明の仕方を振り返り次の授業に生かすようにしている。

6.今後の目標

1) 短期的な目標
  1. 栄養士業務に最低限必要な計算能力の向上
  2. グループワークを通して、協力して課題に取り組むことができる力の育成
2) 中・長期的な目標
  1. 今年度より給食管理実習の担当となった。給食管理実習は作業型のグループワークであり、目標達成のためにグループのメンバーと協力して作業を行う内容となる。学生が自分の意見を伝えることや意思決定をする場面が多い。そのため学生が自主的に考え、行動する力を身につけることが期待できる。その効果を学修成果として可視化できるような方法を検討していきたい。
最終更新:令和4(2022)年7月2日

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