○学校法人藤田学院 危機管理規程

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、危機又はリスクに対し、迅速かつ適切に対処するため、学校法人藤田学院(以下「学院」という。)が設置する鳥取看護大学、鳥取短期大学及び鳥取短期大学附属こども園における危機管理ならびにリスク管理にかかる体制について定めることを目的とする。

(危機管理の3段階)

第2条 この規程は、平常時、緊急事態発生時、収束時の3段階における危機管理について、その目的と対応すべき業務を以下のとおり定める。

(1) 平常時(リスク管理)

危機発生の未然防止と早期警告を目的とし、危機の予知や日常の安全確保等の危機管理体制の確立を業務とする。

(2) 緊急事態発生時(危機管理)

発生した事象によるダメージの最小化を目的とし、緊急時の安全確保、被害の最小化、マスコミ対応を業務とする。

(3) 収束時(回復)

復旧と再発防止を目的とし、被害の修復と再発防止策の検討、平常時の体制への引継ぎを業務とする。

(危機管理及びリスク管理の対象)

第3条 この規程において、危機管理及びリスク管理の対象となる事象は、以下のとおり分類する。詳細は別表1のとおり。

(1) 学生・園児、教職員等の生命・安全に影響するもの

地震、土砂崩れなどの自然災害、火災、通学中の事故などの事件・事故、食中毒などの健康被害に関するものなどがこれに該当する。

(2) 大学等の運営に支障をきたすもの

システム停止やウィルス感染などのシステム障害、不当要求などの威力業務妨害に関するものなどがこれに該当する。

(3) 社会的信用を失墜させるもの

情報漏洩、万引きなどの問題行動、研究費の不正使用、飲酒運転などの不祥事に関するものなどがこれに該当する。

(危機レベルと対応組織)

第4条 第2条に関連し、危機レベルに応じた対応組織は以下のとおり定める。

(1) レベルⅠ

各大学等で対応が可能な危機で、「危機管理実行委員会」が対応する。

(2) レベルⅡ

学院全体で対応する必要がある危機で、「危機管理委員会」が対応する。

(3) レベルⅢ

緊急対応の必要な危機で、「緊急対策本部」を立ち上げ対応する。

第2章 危機管理委員会・危機管理実行委員会

(委員会の設置目的)

第5条 「危機管理委員会」及び「危機管理実行委員会」は危機発生の未然防止と早期警告、日常の安全確保を目的として設置する。

(委員会の組織と招集)

第6条 「危機管理委員会」は学院全体の危機に対応する組織で、委員長は理事長とし、委員は次に掲げる者とする。招集は委員長が行う。

(1) 鳥取看護大学学長

(2) 鳥取短期大学学長

(3) 鳥取短期大学附属こども園園長

(4) 事務局長

(5) 総務部長

(6) その他委員長が必要と認める者

2 「危機管理実行委員会」は、各大学や附属こども園に関する危機に対応する組織で、委員長は各施設長(学長・園長)とし、委員は次に掲げる者とする。招集は委員長が行う。

(1) 事務局長

(2) 総務部長

(3) その他委員長が必要と認める者

(委員会の業務)

第7条 「危機管理委員会」及び「危機管理実行委員会」は以下の業務を行う。

(1) 「リスク」「危機」を早期に発見、予測する

(2) 「発生確率」と「ダメージ度」を評価し、優先順位付けを行う

(3) 危機管理の方針を決定する

(4) 「危機管理マニュアル(リスクシナリオ別を含む)」の作成と見直しを行う

(5) 「リスク」「危機」に備えるよう警告する

(6) 教育・訓練を実施する

(7) 「緊急対策本部」の設置に至らない事案が発生した際、ダメージの最小化に努める

第3章 緊急対策本部

(緊急対策本部の設置目的)

第8条 「緊急対策本部」は緊急事態が発生した時に、ダメージの最小化を目的として設置する。

(緊急対策本部の組織と招集)

第9条 「緊急対策本部」は緊急事態が発生した時に都度設置する組織で、委員長は理事長とし、理事長不在時の委員長の第一順位は鳥取短期大学学長、同第二順位は事務局長とする。招集は委員長(理事長不在時は次順位者)が行う。

2 委員は次に掲げる者とする。

(1) 鳥取看護大学学長

(2) 鳥取短期大学学長

(3) 鳥取短期大学附属こども園園長

(4) 事務局長

(5) 総務部長

(6) その他委員長が必要と認める者

3 発生事案により、緊急連絡網を通じて関係部署の教職員を招集し、情報の収集・整理と管理ができる体制を速やかに構築する。

(緊急対策本部の業務)

第10条 「緊急対策本部」は以下の業務を行う。その際、理事会、大学協議会、教授会の審議を含め学内規則等により必要とされる手続きを省略することができる。

(1) 「緊急対策本部」を設置し、危機収束後解散する

(2) 情報の収集・整理と管理を一元化する(情報のファイル化、確認情報と未確認情報の選別、情報の管理)

(3) 指示命令系統を一元化する(スピード優先)

(4) 関係先への情報連絡と連携を図る

(5) マスコミ対応する(個別対応か記者会見かの判断、記者会見用のステイトメントの作成、記者会見実施) 詳細は別表2のとおり。

(6) 災害の場合は避難を最優先する

第4章 その他

(雑則)

第11条 この規程に定めるもののほか、危機管理に関し、必要な事項は別に定める。

(改廃)

第12条 この規程の改廃は、規定管理規程の定めによる。

この規程は、令和元年10月1日から施行する。

別表1

危機管理の3段階

画像

対象とする危機

リスク(影響)

区分

内容

教職員・学生等の生命・安全への影響

自然災害

地震、風水害、大雪、土砂崩れ等

事件・事故

火災、施設(運動用具)事故、部活・教育研究活動中の事故、出張中の事故、通勤・通学中の交通事故、海外渡航・海外留学中の事故、不審者による声掛け・傷害、ネット等による誹謗中傷 等

健康被害

感染症、食中毒、食品への異物混入 等

学院運営への支障

システム障害

システム停止、ウィルス感染、ネットワーク障害 等

威力業務妨害

不当要求、クレーム

社会的信用の失墜

情報漏洩

個人情報の漏洩、機密情報の漏洩 等

事務ミス

試験問題、合否判定、単位認定、卒業判定 等

問題行動

万引き、いじめ、未成年喫煙・飲酒、深夜俳諧 等

不正

横領、研究費の不正使用、論文盗用、著作権侵害 等

不祥事・犯罪

ハラスメント、飲酒運転、薬物使用、暴力行為 等

風評

SNS等による噂や誹謗中傷の拡散

マスコミ対応

不適切な対応による信用失墜

危機レベルと対応組織

危機レベル

内容

対応組織

レベルⅠ

各大学等で対応が可能な危機

危機管理実行委員会

レベルⅡ

法人全体で対応する必要がある危機

危機管理委員会

レベルⅢ

緊急対応の必要な危機

緊急対策本部

用語説明

【危機管理】

「すでに起こってしまった」トラブルに関して、事態がそれ以上に悪化しないように状況を管理すること

【リスク管理】

「これから起こる可能性のある」危険・危機に備えておくための活動

【危機管理と危険の管理の違い】

危機管理=危険の管理+緊急事態の処理

危険の管理=危険の発生から危機を迎えるまでの間の管理

危険=主に物的・人的被害が発生する事態を指して使われる

別表2

緊急時のマスコミ対応

【取材対応】

①個別取材(直接)

相手の確認(名刺)、取材の意図確認、対応者は原則、事務局長とする

②個別取材(電話)

電話取材は原則受け付けない、どうしても受け付ける場合は、相手の確認(所属、フルネーム)、取材の意図確認、録音の許可を得て対応する、対応者は原則、事務局長とする

③記者会見

複数のマスコミからの取材要請がある場合、また事案の重大性を考慮して実施の可否を決定する

記者会見の日時と場所、スポークスマンを決定(教学関係は学長、経営関係は理事長、こども園は園長)、事前に記者会見用ステイトメントを作成しリハーサルを行う

【記者会見用ステイトメントの作成】

①緊急対策本部で情報の収集・整理と管理を一元的に行う

②事実確認(いつ、どこで、だれが、どのような)

③現在の対応状況(どのような対応をおこなっているか)

④原因究明(なぜ、このようなことが起きたのか)または調査中である旨

⑤再発防止策(今後、どのような対策を考えているか)

⑥責任の所在と社会的責任の表明

⑦関係者の処分等について

⑧想定問答の作成

【会場】

①大学か記者クラブかの決定

②会見用テーブルの後ろから撮影・録音されないような位置

③複数で対応する場合の並び順は記者から向かって、中央①、右②、左③

【その他】

①服装、表情、声調

②姿勢(逃げない、隠さない)

学校法人藤田学院 危機管理規程

令和元年10月1日 種別なし

(令和元年10月1日施行)