○鳥取看護大学・鳥取短期大学研究倫理審査における申し合わせ事項
平成27年5月
研究倫理委員会の審査の際に、以下の点を基本的に認識して審査を行う。
1.研究倫理委員会は、研究倫理の側面において教員が相互にレビューすることによって啓発しあう(審議する、審議させてもらう)場である。
2.この委員会は研究の倫理における審査であり、以下の倫理的な側面((1)~(6))について検討をする。
(1) 研究対象者の人権の擁護
(2) 研究対象者に十分な情報を提供して、同意を得る方法(インフォームド・コンセント)
(3) 研究対象者の不利益・危険性の予測
(4) その研究の社会に対する貢献度
(5) 個人情報の保護
(6) その他委員会の目的を達成するための事項
*研究内容の妥当性については審査対象ではない。
3.研究倫理委員会は、鳥取看護大学・鳥取短期大学の教員の研究をより良く推進するために、倫理的な側面から審議をして申請者に対して書面でアドバイスする。基本的には、倫理審査が研究推進につながることを第1の目的にする。この時、どのように倫理的に整えればよいかを申請者が理解し改善できるよう配慮する必要がある。審査のコメントは倫理の6側面に限定し、それ以外は申請者に判断と責任を委ねる。
4.研究に不慣れな教員であっても研究倫理への申請を通して研究倫理面の学びとなるよう支援する役割があることを意識する。
5.審査におけるコメントの表現は、研究者の前向きな姿勢を引き出すべく表現に気を配る。
具体的な配慮の例:
1.研究歴の浅い教員もおり、明らかな提出書類の不足等が見られたときには、それが倫理審査日前に判明した時には、委員長の判断で申請者に追加提出を認める(質問紙調査であるのにアンケートが添付されていない、依頼文がないなど)。
2.申請者にコメントをする場合は、どこがどのように適切でないかを述べるだけでなく、どこをどのように修正すればよいか、申請者が分かるよう具体的な例を挙げるなど配慮する。
3.条件付き承認となった場合、10日間の後に修正して出されたものに不備があった場合、若干であれば倫理的に整えられるように、受理する委員長が申請者にコメントして研究が進められるようにする。
4.条件付き承認となった場合、原則として10日以内に修正版を提出することとする。しかし、10日以内に提出が難しい場合、事前に申請者からの依頼があれば延長期間の提示を求めて若干の延長を考慮する(実習中など)。
5.不承認とする場合は、原則、ヒアリングを行って、その中で本人の納得が得られることを前提とする。ヒアリングの結果、申請者の倫理観に重大な問題があり、条件付きとして再提出してもらっても修正される見込みが薄いと判断されるときには不承認となる。
6.審査の対象ではないが、研究内容や文章表現の適切さ、書類間の表現の整合性、単純ミス、誤字脱字等は、研究協力者の手元に渡る依頼書等の文書の中に出てくるなど差し障りのある場合のみ、倫理以外の参考意見として倫理審査の結果とは別に付記する。
7.審議の結果について記述する際の表現は、ピアレビューという特性があるからこそ、非常にデリケートなものであり、指示・命令的にならないよう配慮ある表現を心がける(~してはいかがでしょうか、~を検討して下さい、など)。