鳥取短期大学

助教 古都 丞美

1.教育に対する責任

私は本学において,主に食生活論,ライフステージ栄養学に関する授業を担当している。
食生活論は,食について,歴史・文化・消費生産・健康・安全などの様々な視点から捉え,人々が心身ともに健康な生活を営むために必要な基礎知識や考え方の習得を目指す科目である。また,栄養士の職業理解をはかり,将来に向けての職業意識を高め,学生生活で習得すべきことは何かを考え,短大で学ぶ目的意識を持つことも目指している。
ライフステージ栄養学は,ライフステージごとの人体の構造や機能,栄養状態,心身機能といった特性について理解し,対象者に応じた栄養ケア・マネジメントの基本的な考え方を学ぶことを目標としている。

学校法人藤田学院ホームページ「教員紹介2021」

2.教育の理念

私は、本学の教育活動において、以下の3点を重視している。

1) 基本的知識の定着
栄養士資格は,国から規定されているカリキュラムに沿い授業を行っていく必要があり,最低限身に着けてさせなければならない基礎知識がいくつか含まれるため,この項目を挙げた。
2) 相手に合わせた対応の必要性の理解
栄養士は人を対象とした職業であり,大学で習った対応が必ずしも正しいとは限らない場合がある。特に,食事に関しては,非常に個人的な選択である。対象者の意思や信念,文化的・社会的背景を尊重する必要があるため,相手に合わせた対応の必要性を伝えていくことは,重要だと考えている。
3) さまざまな体験

3.教育の方法

上述の教育理念を達成するため,例えば2年生前期に開講する「ライフステージ栄養学」では次のような授業を行っている。
毎回,授業の最初に今日の授業概要を説明し,授業目標を確認させている。授業の進行については,基本的に教科書に沿う形をとり,最初は各ライフステージの生理的特徴や食事摂取基準,関連する健康上の問題などを取り上げる。一通り説明をしたのち,ケーススタディの【ワークシート】を配布し,演習をさせ,対象者の現状の把握と今後の対応について考えさせている。知識の定着を図るため,単元ごとに【小テスト】を行い,次の授業で結果を返却し解説を行っている。また,国のガイドラインなど,教科書の内容外で補足が必要な場合は,別途資料を配布し解説をおこなっている。授業の評価方法は,定期試験(筆記)50%,小テスト30%,提出物20%の合計で行っている。期末テストは,穴埋めや選択問題,症例に対する栄養アセスメントや栄養ケアの計画を記述させている。

鳥取短期大学ポータルサイト「シラバス検索」

4.学生による授業評価

2019年度の授業評価アンケートにおいては,全体的に平均的であり,総合的な満足度(項目d)は「あてはまる」「ややあてはまる」の回答合わせて,「ライフステージ栄養学」が90%,「食生活論」が98%であった。しかし,「ライフステージ栄養学」における,授業に集中できるよう配慮する項目(項目g)については「あまりあてはまらない」の回答が19%とやや多かった。ワークシートをさせる際に,学生同士が話し合って作業する場面があったが,それが終了しても会話が続き,解説中も私語がみられたことが原因と考えられる。都度,注意はしていたが,今後さらに授業へ集中できるよう工夫していきたい。

5.教育改善への取り組み

教育改善への取り組みとして,まずは学内のFD活動へ参加している。学生の課外活動について教員としてどのようにかかわることができるか考えたり,自分自身の授業の振り返りを行ったり,これまでの自分の教育や学生対応について考える機会としている。また,普段交流の少ない他学科の先生方の考えを知ることは,刺激を受ける良い機会であり,参考にさせてもらっている。
また,学科として,学生の動向を共有している。勉強に苦手意識を持っている学生が,どのようなフォローを望んでいるのか,どの科目のどのような課題に,どう反応しており,どう対処しているか,という情報を共有し意見を交わすことにより,自分の授業の対応を考えることができている。

6.今後の目標

1) 短期的な目標
  1. 学習内容の理解と知識の定着率の向上
  2. 他者理解を図る教育の実
2) 中・長期的な目標
  1. 主体的な学びの場の提供
  2. 「科学的根拠」を踏まえた指導ができる学生の育成
    「栄養」,「食事」,「健康」というものを理解するには,化学や物理,その他調査結果を読み解き,理解していくことが必要である。また,単に理解するだけではなく,それらの知識を「食事」に反映させる必要がある。その際,「食事で何を伝えたいのか」という栄養教育媒体としての視点を強く持つことが重要であることを感じている。「食事」を単に提供するだけでなく,それらを使ってどうしたいか,その先を見据えることができる栄養士を養成したいと考えている。
  3. 「心遣い」を実践できる学生の育成
    栄養士業務は人を健康にすることを目標としているが,食事は健康になるための道具ではなく,人が生きていくことそのものだと考えている。学生は,食事摂取基準や数値合わせの献立を作成しがちである。それらも大切なことであるが,人の生きていく楽しみを制限する食事ではなく,支える食事の提供の必要性を,担当科目を通して学生に伝えていきたいと考えている。
最終更新:令和2(2020)年7月20日

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